アトモフのある京都からブラジル・サンパウロまでの距離は約1.9万km。ほぼ地球の裏側です。
ブラジルの風景を撮影したブラジル出身のミカエルさんは、現在日本で生活しながらアトモフのメンバーとしてCG製作を手がけています。今回、アトモフの”カメラマン”としてのテストをクリアし、母国ブラジルで初の風景撮影に挑戦。そして、アトモフとしても待望のブラジルの風景をリリースすることができました。現地で撮影したからこそ感じた感動や苦労の裏話を、ミカエルさんに直接伺いました。
橋にかかる電飾が全て盗難。緊張した15分間の撮影。
ーー ブラジルの撮影お疲れ様でした。ピニェイロス川の斜張橋やイグアスの滝など、日本ではなかなか見られない迫力のある風景に本当に驚きました。
ミカエル:よかったです。ピニェイロス川にかかっているオクタヴィオ・フリアス・ジ・オリヴェイラ橋は私の故郷サンパウロのシンボルの一つでもあるんです。今回、昼間の風景を撮影したのですが、本当はライトアップされた夜景も撮りたかったんです。でも、できませんでした。
夜に撮影をしようと現地の人に話を聞いてみたら、「今はライトアップされていないので、綺麗に映らないと思いますよ」って言われて。ワイヤーにかかっていたLEDケーブルが全部盗まれて、ある日突然真っ暗になったらしいんです。

ーー え、このケーブルのLEDが全部盗まれたんですか……?
ミカエル:日本ではありえないですよね。撮影しようとした途端、早々にそんな話を聞いて、正直ひとりで撮影するのは無理かもって思いましたよ。
サンパウロでの撮影は、緊張した15分でした。LEDが盗まれるくらい決して100%安全とは言えない場所なので、高価なカメラ機材も盗難にあう可能性があります。道路からの撮影は危険だと思ったので、この映像はビル屋上のレストランから撮影したんです。
ただ、危険性は多少あるけれど、サンパウロの中央区はアトモフがある京都のように歴史的な建物がたくさんあって、とても美しい街なんです。自分が生まれ育った街を自ら撮影して、世界中の人に、Atmoph Windowを通してその美しさを知ってもらう機会があるのは嬉しいですね。
視界の全てが滝。圧倒的迫力、イグアスの滝。
ーー ブラジルの気候はどうでしたか?南半球なので日本とは季節が逆ですよね。
ミカエル:そうですね。天気は日本と全然違って、冬でも30度くらいになるのでまあまあ暑いです。雨の降り方も、日本とは全然違って、15分くらい雨が降ったと思ったら急に晴れたりします。日本の気候に慣れてしまっていたのでびっくりしましたね。
ーー そんな雨の中、よく撮影できましたね。
ミカエル:もちろん濡れても大丈夫なように準備はしていきました。特にイグアスの滝は、天候に関係なく、近くに行くだけで水しぶきでびしょ濡れになります。こういった場所では特殊なレンズをつけて、映像に水滴がうつらないようにする必要があるんです。案の定、撮影が終わってカメラを見たら、びしょ濡れになってました。

ーー 他に撮影をする上で大変なことはありましたか?
ミカエル:イグアスの滝では、一番大きな滝にいくまでの間に7回撮影を行いました。少し歩いては15分間風景を撮影し、また少し歩いては15分間撮影。今回は8Kで撮影したため、1つのバッテリーで30分しか持たないんです。なので、2回の撮影ごとにバッテリーを交換する必要があります。撮影データの容量は1つ25GBとかになるので、カードもちょくちょく交換しないといけないんです。
撮りたい撮影ポイントがたくさんありすぎて、最終的にはバッテリーの残量はなくなりましたけどね。
あと大変だったのは、観光客の方とのやりとりです。撮影のために三脚を構えるじゃないですか。しっかりしたカメラで大きめのマイクも付けて撮影をしているので、観光客の方が「撮影してるの?」って声をかけてくるんです。
アトモフの風景は映像はもちろん、その現地の音も重要な要素なのでできるだけ関係のない会話は入れたくないんです。
喋るとその声が入ってしまうので、ジェスチャーをしたり、タイマーを見せたり、スマホで「撮影中です」という画面を見せたり、喋らずに「撮影してるよ」ということを伝えないといけません。人が少ないところに移動しても、「お、ここがいい場所なのか」と思われるからか撮影中に人が集まってくるんです。さらに撮影しているカメラの前で撮影を始めたり、どうにか同じ画角で撮影しようと思ったのか、私のカメラの上にスマホを構えようとする人もいたり(笑)この調整が一番難しかったです。
ーー 気になるんですね(笑)。
ミカエル:大変な撮影ではありましたけど、イグアスの滝はその迫力に本当に感動しました。目に見える範囲全てに綺麗な滝が流れていて、滝の水しぶきで虹も見えるんです。心臓がドキドキするほどの水量と音も。15分の撮影が30秒ほどに感じるくらい感動しっぱなしでしたし、撮影しながら気づいたら涙も流してしまいました。

ーー 映像でも迫力を感じましたが、現地で感じたものは全然違いそうです。
ミカエル:本当にそう。もちろん最大限伝わるように、撮影場所や画角は工夫しました。でも、正直映像では現地の迫力の10%も伝わらないと思います。イグアスの滝に限らず、Atmoph Windowでいいなと思った場所には、ぜひ実際に行ってほしいですね。
母国撮影の特別な思い
ーー やっぱり母国の風景を自ら撮影して、しかもアトモフとしても初めてのブラジル風景リリースということで、特別な思いがありますか?
ミカエル:はい、ぼくはブラジル出身ですが、まだまだ行ったことのない場所は多いです。実は今回イグアスの滝も初めてでした。自分自身が母国のブラジルを知る機会になったし、イグアスの滝以外にも知らない絶景がたくさんあることを改めて知りました。
以前Atmoph Windowを使っていただいているブラジル大使館の方からも、「ブラジルの風景はまだないんですね」ってメッセージをもらったこともあって。その声に答えるのはもちろん、Atmoph Windowをきっかけに多くの人にブラジルの美しさを知ってほしいですね。

サンパウロ ブラジル






